皮膚に関する豆知識やケアの方法など役立つ情報が満載ですのでぜひ参考にしていただけれ
ばと思います。
乾癬(かんせん)
- 2010年05月12日
- その他
尋常性乾癬は、慢性の経過をたどる皮膚の疾患です。日本では、乾癬の方が数十万人いるといわれています。男性に多くみられる病気で、中年以降に発症することが多いです。
A. 原因→はっきりとした原因はまだわかっていません。遺伝的な要因に、気候、ストレス、食生活(たばこ、飲酒など)、 感染症、肥満、高脂血症などの要素が加わって発症すると考えられています。
B. 症状→発疹は、大小種々の丸いもしくは楕円形の形をした発赤としてみられます。
発赤の上には、銀色で雲母様のカサカサが認められます。発疹と正常な皮膚との境界ははっきりしています。発疹は、頭、肘、膝、臀部、手や足など擦れ やすい部位にできることが多いです。爪の変形もしばしばみられます。乾癬の方は、正常な皮膚を掻いたり傷つけたりすると、その部位に乾癬の発疹が出現する ことが多く、これをケブネル現象といいます。
C. 診断→特徴的な発疹とその分布、経過などより総合的に診断します。診断が困難
な場合は、皮膚生検(皮膚の一部をとって検査すること)を行うこともあります。
D. 治療→ 治療法は、大きく分けてA.外用療法、B.内服療法、C.光線療法の3つに分類されます。
A.外用療法では、ステロイド剤と活性型ビタミンD3製剤の2種類が使用されます。B.内服療法では、かゆみがあったり、発疹の症状が強い場合に抗 アレルギー剤を用います。 難治性の場合は、ビタミンAや免疫抑制剤の内服を併用する場合もあります。C.光線療法には、PUVA療法(UVAを照射する治療法です。)とナローバン ドUVB(紫外線の中でごく限られた狭い波長のUVBを照射する治療法で、尋常性白斑や円形脱毛症の治療にも用いられています。)があります。
A.外用療法、B.内服療法、C.光線療法の3つをうまく組み合わせて、各々の人に最も適した治療法を選択します。最近、光線療法の中でも、ナローバンドUVB療法が比較的安全で、有効性が高いといわれています。
当クリニックでも、光線療法を行っておりますので お気軽にご相談下さい。
E. 日常生活上の注意点
①ケブネル現象がおこるのを防ぐため、衣服はなるべくやわらかい生地のものを身につけるようにして、かゆくても掻かないようにしましょう。②肉体 的・精神的ストレスは、乾癬の発疹を悪化させると考えられていますので、ストレスを適度に発散させましょう。③たばこを吸うと、のどを痛め、風邪や扁桃腺 炎にかかりやすなり、乾癬の症状は悪化するといわれていますので、禁煙を心がけましょう。④高コレステロールの食事は、乾癬によくないといわれていますの で注意しましょう。⑤アルコールの摂取も程々にしましょう。